スナックelve 本店

バツイチ40代女の日記です

No.806 遺産相続の夢を見た

詳しい内容は覚えていないが、遺産相続の夢で目が覚めた。寝る前に『夏の魔術 (講談社文庫)』を読んだ。その最初の方で主人公は遺産相続を放棄する書類にサインさせられる。そんな描写を読んだせいだろう。覚えてない割に切ない気分で目が覚めた。


うちのばたばた期はd.hatena.ne.jp
に書いた。このばたばた期の後に母は子宮筋腫で子宮を全摘してる。それも彼女にとって大きい出来事だったと思う。忘れてたw



結果、父の兄弟は億に届く額を相続し、父は「オヤジのカメラがもらえればソレでいい」と数百万の金と田舎の土地を少々相続した。
相続税が払えなくて首をつる」がうちの冗談になった。
本州に居る伯父伯母は北海道の土地など、しばらく放置して平気なようだったが、うちは売れない土地を無理矢理にでも売らなくてはやっていけないほどだった。


それでも、お金は人を狂わせる。母も狂った。たぶん、自分の人生、子供、あらゆるモノを犠牲にしてきた結果である数百万の金が憎かったのだと思う。
急に母は金遣いが荒くなった。元々見栄っ張りなのに貧しい育ちで、悔しい思いを随分してきた人だった。
着物屋や宝石商が自宅に来るようになった。展示発表会と称した商談の場に招待されるようになった母は私をそこへ連れて行った。
黙っていれば良いお嬢さんに見える私も彼女の装飾品の一つだったのだろう。私は着物にも宝石にも全く興味がなかったのだから。
父以外に好きな人ができたとか言い出したのもその頃だ。子宮を全摘して不安定だった頃でもある。
居酒屋からスナックに店を変えて、周囲にいい顔して金をばらまいた結果、クズ男が寄ってきているようにしか見えなかった。
母はいつも父を呪い、父の文句を言い、父に泣かされ、それでも離婚しなかった。それも金の力かもしれない。
父は黙って酒を飲んでたまに一言発しては母の逆鱗に触れていた。祖父母が亡くなる前はよく泥酔して暴れていた。


「あのとき俺が欲を出さなかったから、俺たちは兄弟でいられるんだ」
父母が亡くなってすぐは伯父伯母と連絡取ることも減ったようだったが、数年して伯母達とは親交ができはじめた頃、父がそんなことを呟いていた。父は末っ子で、兄も姉も大好きな人だから、そう思いたかったのだろう。
いや、私が勝手にそう思ったのかもしれない。
彼はたぶん、母が浪費始めたときにも何も言わなかったのだと思う。言えなかったのだろう。彼女の人生を使って親孝行したのだし。
(9歳離れた弟は祖父から一文字貰っている。最後の孫を見せる親孝行みたいなことを言っていた気がする。)


絶対、母のようには成りたくない。
そう思って生きてきた。男のために人生すり減らしてすべての不満を夫にぶつけ、離婚するわけでもなく愚痴る彼女を否定したかった。
でも結局そういう夫婦の形しか私は知らなくて、そういう夫婦にしか成れなくて、耐えきれなくて離婚してしまったなぁ。
離婚できなくなるほど相手に尽くさなかったのは幸いだったのか、実は不幸なのか、ソレも気の持ちようでしかないので辛いw