捨丸にーちゃん
現実(つーかこの『物語の世界』)から浮くのが宴会の席から逃げ出して山奥まで駆けていくところと、月に帰る前に捨丸にーちゃんとの逢瀬場面。
一番引っかかったのがやっぱりにーちゃんなんだよな。
俺の感じだと男ってのは「何から」を伝えずに、見つかるだの逃げるだのって話を聞けないと思う。あるいは自分に都合の良いように解釈する。だから、すげー美女(自分より立場上そう)に
「あなたとなら幸せになれただろう。でも、もう遅いの逃げられないの」
と言われて、おのれの妻子のことを全く思い出さずに、よし一緒に逃げよう!! となるのが引っかかったが、己(監督)の理想のために、あえてそこで妻子を出さなかったのだとしたら本当に気持ち悪いなぁーと。んで、2人で天にも昇る気持ちをそのまま表現するわけだけど、天に昇り月に見つかり、現実へ落ちるのであれば、「たけのこ」はにーちゃんの妻子の存在を知った方がいい気がしたけどな。知ったけどそこは男にとってきつすぎるから描きませんでした、無意識に、とかだったら嫌な感じ。
唯一好きになった男を誘ったらそいつが妻子思い出しもせずに不倫・駆け落ちGOGO! 状態という「絶望」を描いたのだとしたらもうちょい描き込んで欲しいなぁ。
月へ帰る=「死」なんかね
お迎えが仏様? だったりして、死の暗喩だったりするのかなぁ。
男の道具として生きるくらいなら死にますって? でも、男だってこの社会の歯車過ぎないでしょ、帝だって。
誰にとっても道具にならないで生きていける人なんていないし、誰も道具扱いしないで生きていくことはできないのではないかなぁ。特に日本人なんて、使える、使えないも意識もしないで海外などの安い労働力を「使って」日々の生活を営んでいるだろう。
姫が帰ってしまってから翁が泣きながら「私を許しておくれ」と言っていたけど、あれは姫に言ったのかな? 抱き合っていた媼に言ったのかな? 今なら熟年離婚確定だろうなwww
媼が原作で影が薄いというのも、夫に物言える時代ではなかったからなのだろうなぁ。
音楽
テーマになってる(?)童謡がオリジナルなので劇中で子供や姫や媼が歌うのがイマイチw
お迎えの時に月の人たちがチャカポコしてる音楽のフレーズが「小さな恋のうた」の「♪ひびーけ恋のうた」に聞こえてしまったw
うーん?
なんかまぁ、原作に忠実に作りましたって感じだったので捨丸にーちゃんが浮いたなぁ、とか。
忠実に帝と遣り取りさせて、その人柄に惹かれた頃に迎えが来ちゃうとかでも良かったのでは。ただ生きるだけで良かったのに! って姫に貴族なりの幸せを教えてから奪うというか。
「下界に憧れた罪の罰として下界におろされる」ってなんか罰になってないような気がするよなぁ。
いやまあ、苦行にはなるんだろうけど、また憧れちゃうんじゃないの? 降りれるなら余計、とか。
廻り巡るのであれば、またいつかあいまみえることもあるのでしょう・・・。