- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: DVD
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ばたばた忙しそうな男。電話したり女とキスしたり喪服も着ないで葬式に行く。まぁ、女にもだらしなさそうな感じ。
と思ったら、東京で成功したカメラマンで母親の一回忌で葬式も行かなかった、ということらしい。視聴後に感想見てて知ったw
コレが弟でオダギリジョーなんだが、数年前に失恋した相手に似てることに気づき、非常にドキドキした。とはいえドキドキの質も変わってきてた。いつまでも同じ想いでいるのは私には難しいなぁ。
弟は途中で兄貴と親父で経営してるガソリンスタンドに寄る。そこで彼に気づき声をかけようとしてかけられない女性が出てくる。コレも視聴後に認識したのだが、幼馴染みだったらしい。智恵子。
お寺さんの声が響く中、下座の方で小さい子供と遊ぶ兄。私服で入ってきて注目を浴びる弟。
その後の食事中に、お越しの皆さんに挨拶してお酌して回る兄、自分の仕事を認めない父親と喧嘩を始める弟。
仲裁する兄。
実は先に智恵子に気づき、でもサングラスかけて、気づかないふりをしたのは弟の方。この感じで、昔セックスした仲であろうって感じ。弟の元カノが兄貴のガソリンスタンドでバイトしてて、ソレを嫁候補にしてるって感じかな? と。
両親からの期待、地元からの信頼、そういう一夜漬けでは手に入らないものを、兄は持っている。
この兄弟はお互いがお互いの生き方を尊重して、だから弟も智恵子には気づかなかっただの、あのパートのおばちゃんみたいなのが? と興味のない反応をする。
でも、その嫁候補的な感じの話の後で、兄と元カノが息ぴったりに仕事してるの見て嫉妬する弟。たぶん、女ではない何かに嫉妬してる。でも、その嫉妬を納めるために、智恵子を抱く。別に兄より大事にする気も、東京でどうするとかそういう気もなく、ただただ、俺が先に手を出した、そういうマーキングをして自分を落ち着かせるために抱く。何年か前に東京に行く自分を捨てた女を抱く。
女を抱いて家に帰ると兄は小さくなって洗濯物をたたんでいる。この辺なかなかご飯食べるところ無くてまいった、なんて言う弟に
結局チェーン系の居酒屋くらいしかなかったろ? 智恵子ちゃん飲ませたなら大変だったろ? と兄は聞く。
まぁ、かまかけてるよなぁーと思う。酒は飲んでないよとか無難な答えにしておけばいいのに、弟は、いやー智恵子ちゃん結構飲むのねーまいったわー的なことを言って、言い訳するかのように風呂に入る。(女のとこでシャワー浴びてたけど)
兄の、幼い頃によくいった渓谷に3人で行こうよ、という提案を最初は断っていた弟だが、智恵子を抱いた後「渓谷に行かないと不自然に思われる」と言われ、行くことにする。裏目だよね。兄は不自然なほどはしゃぐ。
そうして、事件は起きる。
ぼろい吊り橋を渡って写真を撮ってる弟を追って智恵子も橋を渡る。高所恐怖症の弟は渡りたがらなかったが智恵子を連れ戻しに橋を渡る。驚き、弟に抱かれたことによって兄への思いを嫌悪に変えた女は、兄の手を拒絶し、橋から落ちて死ぬ。
ここの香川さん(兄)の演技がほんとキモくて、この女はこの兄弟(地元不動産有り|東京)の勝ち馬に乗りたかっただけの屑なんじゃないかとは思うんだけど、ほんと「触らないで!!」って叫びたくなるwwww
さて、この彼女が落下したのが事件なのか事故なのか。不幸な事故として、終わったら映画にならないわけで・・・
智恵子の葬式では弟が他の人と話をしていて、兄貴はぐてーっとしてるだけ。
ここから兄と弟は今までのポジションから配置換え。父に怒鳴られるのも今度は兄。まぁまぁ、と宥めるのは弟。
今までスタンドのクレームなど兄貴が頭を下げて丸く収めていたのにガンで客の車殴ってフロントガラスにヒビ入れる。
そして、連れて行かれた警察で、兄は自白する
「ボクが彼女を突き落としました」
弟は弁護士の伯父に弁護を依頼。本人が自白してるんじゃねぇと渋る伯父に札束ポンポン。警察に聞かれても伯父に聞かれても、彼らが橋を渡っていることに気づかなかった。見ていなかった。という。しかし、智恵子が橋が渡っているところを見ているのは視聴者側にわかっている。弟は嘘をついている。なんのため?
最初やたら自暴自棄で暴れていた兄は裁判で急に態度を変える。あれは事故だった、と。自分はあまりのことに自責の念に駆られて自分が殺したようなものだから自白してしまったが、ソレは間違っていたと。
面会の時に弟に、無実になったら店を改装するのだとかアレコレ話つつ弟を煽るような態度をとる。
「おまえは昔から人の話を信じない奴だったよ」
結局、弟が証言するときになって実は兄が突き落とすところ見てましたーって証言して、兄は有罪。懲役7年実刑。
伯父の事務所は閑散とし、書類が舞う。
7年後
父親が洗濯物を取り込んでいる。新聞紙が干されていて、コレも取り込んでいる。呆けたか、と思ったらやはりいろいろ怪しいらしい。
冒頭で複数いた弟のスタッフはいなくなってる。スタンドは改装されないながらも残っている。
東京に訪ねてきたスタンドの店員(妻子持ち)にファミレスで食事をおごって貰いながら、兄の釈放日を聞く弟。
父が呆け始めてから誰も面会に行っていないらしい。
迎えに行く気のない弟。
映写機で昔の渓谷の8ミリカメラで撮られたであろう動画を見る。親父によく連れて行って貰ったろうという兄に、俺は親父に連れて行って貰ったことなんか無い、と断言していた渓谷。幼い兄と自分がはしゃいでいる動画。
ソレを見て兄が必死に智恵子を引き上げようとして、でもできなくて智恵子の爪で手首にキズができていく様が・・・。
「誰が見ても奪ったのは俺だ」とか何とか言って、弟は泣きじゃくりながら兄を迎えに行くがすでに釈放後。
町中で歩く兄を見つけて追いかける。道路の反対側。「兄ちゃん!!」何度も叫ぶ。
バス停に向かう兄やってくるバス。
「おーい!水島!一緒に日本へ帰ろう! 」
「兄ちゃん、一緒に家に帰ろう」
ようやく視線を合わせる兄。
満面の笑み
バスが横切る。
って感じで終わったので、なんかちょっと意味わからなくなってー。雰囲気で滂沱の涙だったんですがーw
ゲンバケンショウ
兄は智恵子を落としたのか、落ちたのか。
弟は現場を見たのか、見てないのか。
事件要素
- 弟が駆け寄ったとき兄は滅茶動揺していて、俺が智恵子を落とした、的なことを言おうとする。ソレを弟はわざと遮るように語りかけ、落ちちゃったんだよね、兄ちゃん、大丈夫だよ、と兄を宥め、手首の傷を隠すようにシャツの袖を引っ張る。
- 弟が現場を見ていたとして、事故ならそのまま最初に警察に証言しているはず。
事故要素
- 弟の証言により一気に形勢が悪くなったときに兄は納得してるような顔をしている。狙って事件としている感じがある。
- 最後に弟が思い出した画面(レビュー見てるとファインダー越しになっていたらしい)
まぁ、結経弟は見てない(声は聞こえる)ので想像でしかないのかもしれないなぁ、とも。
兄が落としたと思い込んでしまったから最初は証言できず、事故になったら「兄ちゃんのために」証言しようと思い、でも、そんなの見透かされている。
兄には兄のプライドがあるのかもしれない。検察に同情気味に智恵子の膣内に兄のではない精液があったと情報を公開され、その相手に心当たりがあったのでは?(痴情のもつれの事件だろう)という問いに全く気づきませんでした、すみません、と傍聴席に頭を下げる兄。弟を巻き込まないでおこうという演技だったのかもしれないが、弟は酒の件で兄が気づいていることに気づいてる。
弟「みんな温かく迎えてくれるよ」
兄「おまえがあの街を温かいというとはね」
兄はわかったのだろう。弟が最初に警察に証言しなかったながらも裁判に一生懸命なのが自身への疑いと、それ故に「恩を着せ」ることによる弟の下克上だと。
仮に弟の力によって無罪になって、何がある? 地域の冷たい目。暴れ老いて行く父。相変わらずのつまらない人生。
「おまえは人の言うことを信じない」
ソレは兄が弟にかけた呪いだったのだろう。
兄は正直に答えていたのかもしれない。唯一、智恵子の相手についてだけ嘘をついていたのかもしれない。
けど、弟はそこから兄を信じられなくなる。親父に渓谷に連れて行ってもらえていた兄貴なのだ。
呪いが解けるまでの7年を、それぞれが何とか耐えた。
呪いが解けたとき、兄は家に帰ると思う?
普通に考えたらNoだろう。帰ったら弟は東京に帰り、地域の冷たい目と呆けた父親とつまらない人生。
智恵子の最後の抵抗「私、お母さんやあなた(兄)みたいに生きてくの嫌なのよ!」
でもなぁ、お兄ちゃんお姉ちゃんは小さいときから呪いをかけられてるのよなー。
「(妹弟)には優しく」
私自身、兄貴には非道なことも言えるしやれるし心理的にも切り捨てられるけど、弟は無理なんだよねぇ〜。頼られたらなかなかNoと言えないのよね〜〜〜(兄も私にそうなんだろうし、弟は弟で上の言うことにはNoって言えないよーって思ってるんだろうけどwww)
思いつくまま殴り書き
親世代
伯父は長男で家を出て東京で弁護し、父(弟)が地元で家業を継ぐという感じで、父が伯父に兄さんは昔から奪ってばかりだ、と言うようなことを言う。伯父はその分おまえが受けたものも少なくないだろう、と言い返す。言い返せた世代。
奪う
この映画で印象的に使われていた、「奪う」ってどういうことかなぁ、と思って。
「捨てる」コトが他者の捨てるという選択肢を「奪う」ことなのだろうか。
そういう意味では地元を離れた私は、親や家業を弟(兄は無職なのでこれもトラブルメーカーなんだが)に押しつけてしまっているのかなぁとちょっと悩んだが、なんなら地元のもの全部畳んでうっぱらったっていいんだから、そこは自分の人生自己責任でお願いしたいよなー。弟は「結局ボクがやるしかないんでしょ」みたいなことを母に言うらしい・・・。