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バツイチ40代女の日記です

No.0683 桐島、部活やめるってよ[映画]

ざくっとストーリー&ネタバレ

バスケ部のキャプテン桐島が部活を辞めるのをきっかけに周囲の人間関係が揺れ動く様をとても上手く描いた映画。
なお、桐島は登場しない。
詳しくは
桐島、部活やめるってよ - Wikipedia


私は高専だし、同居人は男子校だったので
「普通(共学)高校いいなぁ〜」
っと言いながら見てました。

ヒロキ

なんも考えずに観始めたので、彼が主人公かと思った=おそらく私の脳内自分イメージに一番近いのであろう。おこがましいけど。
そんなに努力しなくてもある程度のポジションを確保できるが故になにも努力しておらず、「努力の人」達を羨望のまなざしで見るような。


彼はいつも野球部の鞄を抱えて、バスケ部からボールを盗んで校舎裏で帰宅部の友人達とバスケして桐島を待つ。(一緒の塾に行く)
野球部には熱心なキャプテンがいて、でも坊主頭にしたくなくて(明示されてないけどたぶんw)行かない、みたいな雰囲気。
おそらく彼が部活に熱を入れたら、キャプテンは引退していたんじゃないかな、と思う。
キャプテンが夜の公園で必死に素振りしてるのを観てしまった彼は、公園でなにするつもりだったんだろう?
彼の中の「野球好き」は夜の公園でこっそり発散していたのかもしれない。そうだとすると彼もまた、努力の人でもあるのだけど。
背が高い、というだけで、スポーツでアレコレ期待されたり有利だったりするのだろうなぁ、と思う。
サッカーで言えば平山や森本は期待されて、それに応えたとは言えない。酷いプレッシャーだったと思う。←関係ない


彼はキャプテンにプロになれないのに部活(野球)を続ける理由を、前田に映画監督になれないのに映画を撮る理由を聞く。

出来るやつは何をやっても出来るし、出来ないやつは何も出来ない

なんて、醒めたことを言うが、誰よりも夢を求めているロマンチストはヒロキだと思う。
前田の答えが素敵だったな。

俺たちが好きな映画と、今、自分たちが撮っている映画が、繋がっているんだな、と思っているときがあって


ただ、やっぱり高校生に見えないんだよなぁ。
女性陣に比べて男性陣の「違和感」が強かった。高校生くらいでおそらく女性は成熟してるのでその後の変化がゆっくりなのに比べて、男性の「高校生」はまだ子供なんだろうなぁ。だからその数年後に高校生を演じられても違和感が出るというか。登場シーンが少ないからか、『あまちゃん』の「大吉さん」(社会人1年生)は割と違和感なく、『寄生獣』の「島田」が酷い違和感だった。時期的にもこれが間になるのかな?
前田は違和感なかったなぁ。25くらいに壁があるのかなぁ?

前田

かっこいい。そういえば最初の朝礼の場面で登場してるのだから正当派主人公か。
連れの武史が顔から動きから蛭子さんそっくりで、出てくる度に笑ってしまった。文系でやる気も人望もあって、割とリア充っす。
彼は桐島に左右されない。ただただ周囲の変化を観てる人。
あと、映画館でカスミと会って、一緒に(一方的にw)映画について熱く語りつつジュース飲むときに(カスミがスペースを空けても)絶対横には座らない姿勢と、その後にミルクティー(?)を一気のみする感じが凄いリアルでかわいい。あれアドリブだったらしい。元はシャドーボクシングするんだったらしい。←なにその体育会系発想www でもあり得るなw 男子よくわからんなぁw
翌日カスミを気にして何度もカスミの方を振り向くんだが、そのカスミの背後に沢島(吹奏楽部)がおり、この沢島が自意識過剰系のキャラなのかと思っていたので(ヒロキを見るために屋上でサックスを吹くのだが、相手がこっち見てるかも的なのが過剰にあったので見てるよりも見られたい人だと思ったのだ)、これは沢島に勘違いされてしまうのでは・・・と思ったらそうでもなかった。沢島の自意識過剰っぷりに自分を投影していたらそこすら誤認というがっかり感w

カスミ

映画のレビューでカスミは前田に気があるだの彼氏と上手くいってないのではないかなど描かれているモノを観る度、理解ができない。
「願掛け」したミサンガ(おそらく自作)をカップルで手首に巻いてるんだぞ? ラブラブじゃねーかよ。映画館はたまたまだっつーの。
そういう意味でカスミの公平感は素晴らしいし、かといって変な正義感を振り回さないあたりのバランス感覚も素晴らしい。
なんか女子高生をやたら崇拝するようなエントリを最近見かけたが、女子高生に認められたい求められたい褒められたい救ってくれ等と言ってる人間は、もしJKとつきあうことができたとしても上手くはいかないし、別れたら「彼女は俺を救えなかった」と恨み言を言いそうで、そういえばそういうこと言ってるバカ男はごろごろしてるな、と(苦笑


まぁ、一番まともな女の子に見えるかなぁ。ずるくも見えるかもなぁ。
映画部を笑ったりしない。運動部で一生懸命。笑われても平気。ヒロキの女性版というか。たぶん望んで無いのにミカに才能を嫉妬されたりするのを困惑しつつもなんとかやり過ごしてる。ヒロキと違うのは部活をしてるのと、たぶん恋人が救いになってる。ヒロキは彼女では救われていない。

ヒロキ カスミ
前田 沢島
風助 ミカ
武史 詩織*1

みたいな対応かなぁ。他にもあるかも

ミカ

死んだお姉ちゃんを壁にして、その壁を越えられな事を自覚してる。原作ではもっと掘り下げられてるようなので興味がある。読んでみようと思う。
自覚した上ででもバドミントンを辞めるわけでも諦めるわけでもない。ある意味強くて愚かだ。

この程度なんだよ!

風助はそう怒鳴っていたけど、彼もきっと辞めないし諦めないでしょう。


原作読んだらまた感想を書こう

戦おう、この世界で。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから

だが断るw

*1:吹奏楽部の後輩