スナックelve 本店

バツイチ40代女の日記です

13まんの大きな家

記憶も記録も定かじゃなくて、ちょいと前までいろんな領収書とっておいたんだけど、振り返る意味も意義もないから捨ててしまった人生のもやった時期について語る。人はそれを黒歴史というのかもしれない。

SEの卵として品川の某所に送り込まれて挫折した私は羽化しない道を選んだ。卵のままの方が可能性は保たれる、とか今ならそんな言い訳をするかもしれない。
北海道の家を引き払い、横浜のレオパレスに住んでいた。小学校の横だったがあまり記憶にない。終電で帰ることが多かった。
1ヶ月でそこを出るように言われたんだったかな?

どこでどうやって募集したのかもう忘れたが多分ネットで人を集めて家賃13万の一軒家を借りた。上石神井ハウスシェア

ネット系のエンジニア?20代
左官30代
オーストラリア帰りのフリータ40代

の4名だ。私以外は男だ。私は20代後半くらいだ。

正確に覚えてないが1年もたなかったと思う。自然豊かな石神井の一軒家で左官が自炊していた。虫が大量発生していた。仕掛けたホイホイには必ず3〜5匹入っており、隙間からうごめているのがわかるので触りたくもなかった。
私の部屋は半地下の畳部屋で、寝ていると虫が歩く音(?)が聞こえた。SAN値が下がった。

ある日、台所の上の戸棚を開けたら何か大きな虫が顔に落ちてきた。
発狂した。

左官と喧嘩しまくった。録音して出るとこ出ると脅された。おいこらブス!! とか向こうも叫んでたけどな。
フリーターが取り持ってくれて、左官は引っ越すことになった。

付けたばかりのエアコンを買い取れと言われ、工事費も取られ、合鍵の費用も取られた。
貯金は減ったが心は晴れた。

でも、たぶん、みんなその揉め事で嫌になって出て行った。

13マンの家に一人で暮らした。エアコンもテレビもなかった。毎日23時過ぎまで働いて、でも給料のほとんどが家賃で消えた。

男を連れ込んだ。元職場の後輩。細くて可愛かった。
プラモデルとかガレージキットとか作るのが好きで雑誌とかに作品が載ってるようだった。ガンダムスターウォーズとデビットボウイが好きだった。
真夏に汗だくになりながらセックスした。あまり覚えてない。「エアコンは必要だよ」と言われた気がする。

男は綾瀬に住んでいた。
練馬に住んで新大久保の会社に通い、綾瀬の男の家にもよく行った。23時過ぎまで仕事して男の家に行き始発で帰ってきて仕事とかしてた気がする。
お腹が減った、と言われただけで生姜焼きを作って綾瀬まで持っていった。夜中に。頼まれてもないのに。
「お母さんの味に近いよ」それが彼の褒め言葉だったのかもよくわからない。

男は元彼女と旅行の約束してたからと北海道旅行に行った。
発狂した。
男は帰ってこなかった。
いや、帰ってきたんだろうけど、知らない。

ギリギリで生きてた。
見かねたマルセイが結婚してくれた。

掃除機、電子レンジは比較的早く買い換えた。
洗濯機は離婚して私が北海道に帰ってる間に故障したらしく買い換えられていた。
左官に買わされたエアコンは去年買い換えた。

あとは大きな4人がけのダイニングテーブルと、当時中古で買ったはずの冷蔵庫が残っている。
ダイニングテーブルのセットの椅子の裏面の不織布が経年劣化で触ると粉になることが判明した。すごい。
そろそろ買い換えなきゃと言う。椅子単体で買うよりはダイニングテーブルとセットで買った方が安い。
私はここを出ていく予定なので、もっと小さめのテーブルにしてはどうかと提案しているが、そこで揉めて話が進まない。