スナックelve 本店

バツイチ40代女の日記です

命を飼うこと、殺すこと

ウサギが死んだ話をどこかに書いたと思うのだが探せない。
そういう話なので閲覧注意。
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友達と話していてペットのことを

飼った時点でもう殺してるって覚悟は必要かもなぁ

と言っていた。マジか。そんなこと思ってたの? と自分で驚いたw 考える。

私は愛兎を殺す(安楽死させる)べきだったのにできず、苦しめてしまったなぁ、と。そして死因は、やはり私で、何重にも「殺した」。
この徹底した「殺し」の権利を飼うことで得たのだと思っている。

ペットショップで兎飼った時点で私は人間を含めた命を金でやりとりすることに納得した。人間の都合で飼われる命があるのと同じように殺されたり食われたり捨てられたりする。業が深いことだとも思う。私の人生も労働力として切り売りしていく。あるいは夫に養って貰うためにある程度売ってる。 なんつーか、全部仕方ないことだと思っている。

No.0525 夫メモ - ダメシ添加大戦

※この時はすでに元夫である。面倒だったのだろうw

ウサギのこと

ホーランドロップ・黒・メス・2008年8月1日生まれ、獅子座。2014年3月19日没
死因は膿瘍だった。齧歯類の致命傷になりがちな歯の周辺。痛みで食べられないが基本元気な状態なので餓死に近かったと思う。ふわふわの毛皮を撫でるとがりがりに痩せていた。
死ぬ数時間前まで、ウサギは生きようと必死だった。もうギリギリ限界の何かうまいもん食べさせろ! という欲求に私は食糞すれば健康になるかもしれないという考えから離れられず、ウサギがもう食べられなくなっている糞を無理やり食べさそうとした。それは排出後即食べるから栄養になるのであって、会社から帰ってきた私が与えたそれはおそらく雑菌の塊だったのだろうなぁ。
ウサギは生きる気力をなくした。その後大好きな野菜ジュースも飲まなくなって、ただ流れて周辺を汚した。
そうだな、あそこできちんと殺してやればよかった。

夜になってウサギは私の胸の上で苦しそうに鳴いて死んだ。

そもそも膿瘍になったのは、ウサギが夜中に騒いでケージの隙間に顔を挟んでキーキー鳴いていた時、歯並びが悪くなっていたのに、そのことに私が気付かなかったからだ。
そして、夜中に兎が騒いだのは、私のいびきがうるさかったのだろうと思う。
動物病院では特に異常はないと言われ、その2か月後くらいに眼科膿瘍になった。おそらく歯並びが悪くなったことで歯の根から眼窩へ膿が溜まったのだと思われる。
どうにかしろと切れる私に獣医は眼球摘出して排膿するかと脅してきた。
様々な動物病院を回った。
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切ったら治らない。

その言葉を私は信じることにした。東京の西から千葉の動物病院まで通いまくった。クラビット、塩化リゾチーム内服、通帳「さわだメソッド」でウサギの眼窩膿瘍は良くなった。
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ここで油断してしまった。歯並びが悪いことは何も変わっていなかったのだ。すぐに抜歯していれば・・・悔やまれる。顎の膿瘍として再発。
投薬を続けつつ北海道へ引っ越し。
フィリピンに3か月ほど行ってる間にウサギの歯は酷いことになっていた。
それでもまだ、この時、殺す覚悟で抜歯手術をしていたら、ウサギはもう少し生きていたかもしれないし、もっと早く死んだのかもしれない。
全身麻酔だからリスクがあると言われてひるんでしまった。

そうしてひたすらクラビット、塩化リゾチームを割って食わせて祈るだけだった。

もう切るしかない。ようやく覚悟を決めた。
膿で腫れて物が食えない。がりがりに痩せたウサギを抱えて獣医のところへ駈け込んで排膿して欲しいと頼んだ。
結果、膿の塊ではなかった。肉腫だった。内服薬の成分は血液に乗る。ウサギはあまり血管が発達していないから薬はあまりいきわたらない。
ウサギの体は生きようと必死に肉と血管を伸ばして大きなこぶとなっていたのだった。獣医は気休めに「頑張ってますよ」といった。

このころになると痩せすぎて全身麻酔のリスクがさらに増し、抜歯は私ならしない、と医者に言われるようになっていた。
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バタバタと実家で猫と追いかけっこしていたウサギは、まるでカメのようにペタンと潰れて動かなくなった。顎だけがカエルのように大きかった。
粉末の餌を水で溶いて、シリンジで食べさせる。薬を砕いて飲ませる。
暴れるし、べたべただし、可愛かったのかも覚えていない。そうそう、顎の毛が抜けてグロテスクだったんだ。

でも生きて欲しかった。
ウサギも生きる気でジタバタしてたし。

最後に肥満も内臓も気にしないで食べたいものたらふく食べさせてあげればよかったなぁ・・・。
それもこれも、殺す覚悟が足らんかったのだ。

泣きながらウサギの死を報告した時、獣医は飼い主さんはとても良く頑張っていたと思います、と気休めを言った。

だから諸君は殺す覚悟で飼え!! 覚悟してなくても、どうあっても最後は「殺した」と思うことになるのだから(そんな結論?w)
「殺した」諸君。たぶん、その罪悪感と同じ重さで「生かした」んだと思おうぜ。