「スプリットタンって知ってる?」
みたいな始まり方。(ん? きのこ帝国のほうが後か?)
ネタバレっていうか読んでるの前提で話するよ。
蛇にピアスって言うからチンコにピアスするんだと思ったら舌の方だった。主人公のルイはスプリットタンと入れ墨*1に惹かれる。
私が「身体改造」に興味がまったくなかったといえば嘘になる。纏足にはなぜか惹かれるし、クリトリスの皮を切除、とかソコにピアスつけると気持ちいいとかなんかで見た気がする。セックス大好きなのにセックスでイケないのでな・・・(おっとグーグル先生に怒られる)。
医療現場におけるピアス│ティアラクリニック川越院
でも、観るのはまだしも自分にするのは嫌だなぁ。痛い痛い痛いのダメぇ(ノД`)ナェルシク
ピアスの「穴」は私にとって痛いものの象徴のようで、社会に出るまではバスの前の座席にピアスの人がいると意識せずに居られなかった。
痛い痛い・・・なんでわざわざ痛いことを・・・。
ってなことがぐるぐるする最初の数ページ。
ググると「スプリットタンしてみた」みたいな動画も出てくるけど怖くて見れない。
この自分に施したい人と、施されるさまを見たい人は、需要と供給が違うんじゃなかろうか(泣)きつい。
できるだけ想像力をオフにして読んだら描かれていたことほぼ忘れた(笑)
この身体改造を勧めてくる男がアマ。バカでどうしょうもない感じの男。流れでセックスするルイ。特に特別な感情もなさそう。そういうこともあるのだろう*2。
で、アマの知り合いでボディピアスだの入れ墨とかしてるのがシバさん。あールイはシバさんとも寝ちゃうんだろうなぁっと思ったら、当然のように寝ていた。
気付いたらアマとルイは同棲してた。そういうこともあるよね(経験談w)
セックスはノーマルなのに、ルイを守るため(?)だと際限がなくなって、人を殺してしまう勢いで暴力的になるアマが心底嫌だった。でもバカなりに必死に好きな女性を守ろうとしているところはカズを彷彿とさせた。何も持っていないけど君を守りたいんだ問題である。
一見性欲なさそう(?)なのにドS極まりないセックスをしてくるシバさん。
二人の男の間で揺れるルイ、みたいな書評(紹介?)を見たけど、ルイは別に揺れてなかった。多分ただ流されていただけ。
排他的な登場人物、という感想を見たが、退廃的のことではなかろうか。まぁ受け入れてすら居ないのではないかと思うと排他的かもしれないけどもチョット違和感。3人3様にセックスしてるしな。受け入れ祭り。
自分のためなら人を殺すこともすらいとわないような「狂気をはらんだ男」の知り合いに、いつか殺されそうと思いながら抱かれる。なんだろなぁ。
で、アマが突然姿を消してしまう。ルイは取り乱す。泣きじゃくって(もともとあまり食べてなかったんだけど)ご飯を食べなくなって、シバさんに保護される。シバさんは妙に優しい。
ここでアマのこと何も知らない。名前すら知らないことに呆然としたりまぁアレヤコレヤある感じ。そういうのあるよね。私もよく本名も知らない男と・・・まぁソレはいいw
守れる守れないじゃなくて自分のために必死な男性を見ると情が湧くのはあるあるだよね。ソレが愛なのかは私もわからんけど。
で、まぁオチ的にはシバさんがアマを殺してるっぽいんだよね(明確には描かれていない)。
ま、ルイはシバさんでもオッケオッケーダイジョーブって感じで終わるんだけど、単行本になるときに書き換えられたらしいので元の終わりが読みたいな。
始めから終わりまでま全く意味不明で、いっそ清々しい「わからない」。
最初苦痛だったのはこういう世界を見下して一生関わりたくないと思っている自分を嫌でも認識するから。
最後まで読んで、後半はひたすらアマが可哀想だと思った。そんな死に方酷い、としか思えないのだ。どんなに合意でドMだったとしても。
そう。SMホモセックスで死んじゃったっぽいのね。それでルイは、それでも大丈夫ってなるのがホント意味不明でwwwwwww
アマが多分殺しちゃった男の歯をルイにくれるんだけど、汚いし要らないじゃん、どう考えても。それをルイは大事にとっておいて、アマがシバさんに殺されたことを納得した後に砕いて飲み干すの。アマの愛は私の一部になったとかって。
アタオカ。汚い。
それしか思えなくて全く共感も理解もできなくて、多分この作品自体が共感も理解も求めてないんだなぁって思った。分析好きとしては残念ですw
私は後半シバさんがルイを手に入れるためにアマを殺したんだと思って読んで、全く意味不明(何回目だよw)だったんだけど、人の書評見てると、どうもシバさんとアマは普通にSMセックスする仲だった、と読むようでモヤモヤ。
ルイがアマの傷とかに気づく描写もなかったしなんだろなー。よくみんなそう読めたね。逆に私のヘテロでセックスするべきって固定観念が強固だってことか・・・。
昔、心理学を齧った東大卒のキチガイがこのブログにコメントたくさんくれていて、その中に女を共有して3Pする男は同性愛だって話があったのね。
そうすっとアマはルイがシバさんとセックスしてるのも知ってて苦しんで悲しんで、その苦しみ悲しみを見て、シバさんは大興奮で首絞めが捗った感じなのかなぁ・・・意味不明wwwwwwwwww
シバさんがルイにやたら(?)と結婚しようといってたのもなんか気持ち悪くて。結局そうすればアマがもっと苦しむ的なアレだったのかしらね?
これだけ意味不明な中でルイが「アマを愛していたのかもしれない」とまで言うので、私はルイはアマを愛していたのだろう。失って気付いたのだろう。そして、その愛した存在が愛ゆえに死んだことを飲み込むまでの話なのかと思ったのだが、マリ (id:mari1216)さんはルイは別にアマのことそんな好きじゃないっしょって感じで受け止めていて、(ピアスで拡張してるせいなんだけど)食事ができない泣きわめく呆然とすることを私は愛していたからと受け止め、マリさんは「身近な人を失ったから」と受け止めていた。
私は自分を殺そうとしたときでもご飯食べて眠れた人間なので、身体に影響が出ることは「特別なこと」なんだが、虚弱体質のマリさんにとっては「まぁまぁよくあること」なんだろうなぁーと思うと面白かった。作者はどちらのつもりで書いたかな?w
賞を取るほどの作品かなぁ!? というのはずっと引っかかっていたが、『蹴りたい背中』よりは好きだ。アレは背中蹴った段階で許さない(笑) コレも蛇にピアスってよりはピアスで蛇に、とかが正確な感じ。
まぁ、正確さで言えば「蹴りたい」と言っただけで蹴ってないとは言ってないのだけども。なんかアレは嫌だったw
巻末に書評? 解説があるバーションがあるみたいで、村上龍の解説読みたかったなぁ~。
作者はわからないことは書いていないっていうのを誰かが紹介していた。そうなんだよ。ルイは両親も普通にいるって言うしなんでこんな全てどうでもいいような人生送っているのかは一切語られない。
でも、私が私のような人生を送っている理由100くらい列挙しても同じ条件でぜんぜん違う人生の人、うじゃうじゃいるだろう。語っても嘘にしかならんもんね。
そうして読んだ後にもやもやして思わず友達に早く読んでよって催促して、あーだこーだ語る・・・十分賞に値するんじゃね?
そんなわけで、思い出した人も、読んでみた人も、読んでみようかなって人も
お題「『蛇にピアス』を読んでなんか書く」
をお使いくださいませ。読ませていただきます。
19歳・・・若いよなぁ・・・。(書籍の感想ではないw)